男は飲みかけのカップ酒を飲み干すと、運転席の後ろに敷いてある布団に潜り込んだ。静寂に包まれた千葉港。しばらくすると、10トントラックから灯が消えた。 2005年10月7日。時計の針は午前0時を回っている。出発から30時間強、ひたすらトラックを走らせた男に与えられたつかの間の休息だった。 その男、「忠さん」は長崎と東京を結ぶ長距離トラックのドライバーである。(30〜33ページ掲載記事から抜粋) *テキスト版記事の文字数:4805文字
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